閉経期前後の数年間に起きる種々不快な症状を、更年期障害といいます。
興奮と憂鬱感、不眠、抑うつ感、過食または食欲不振、のぼせ(逆上)、発汗、めまい(眩暈)、頭痛、動悸息切れ、疲れやすい、肩こり、関節痛など不定愁訴と呼ばれる様々な身体的症状や精神的症状が現れます。
特に女性の閉経時期は、精神的動揺も大きく興奮しやすくなったり憂鬱感を感じたり、不眠などの症状が強く表れる場合があります、また男性でも更年期障害と同様にホットフラッシュと呼ばれる一過性の熱感や冷汗、心悸亢進などの不快症状が出る場合があります。
女性の卵巣は40代後半から機能が低下し、それに伴って卵巣ホルモンの分泌も少なくなり、閉経によって著しく減少します。
卵巣ホルモンの分泌が減少すると、ホルモンの分泌をコントロールしている自律神経のバランスも崩れてしまい、それによって体内環境が大きく変化して心身に様々な異常を感じるようになります。
それが更年期障害の原因で、更年期が過ぎると卵巣ホルモンの分泌が止まり、体がホルモンの少ない状態に慣れると更年期の症状は軽減します。
漢方では「気・血・水」という独特の考え方があり、「気・血・水」のバランス崩れると病的症状が現れるとされ、更年期では「気」の巡りが滞るとのぼせ(逆上)やイライラ、「血」の巡りが滞ると冷え症や肩こり月経不順、「水」の巡りが滞ると発汗やむくみ(浮腫)などの症状が出てくるといわれます。
更年期は食事、家事、睡眠など規則正しい生活を行い、趣味などに積極的に取り組んで生活を楽しむように心がけましょう。また、症状の重いときは医師の受診をお奨めします。